廿一仏板石塔婆(有形文化財)

昭和36年3月1日指定:有形文化財(考古資料) 埼玉県指定

この板石塔婆は、高さ153センチ、幅46センチ、上部に天蓋と日月が配され、その下に虚空蔵菩薩を示すタラークと読む種子を中心に、他の二十仏の種子を4列に配列している。いずれも蓮座、月輪をともない、また下部に香炉、燭台、花瓶からなる三具足と前揃を備えている。廿一仏は比叡山の鎮守神、山王21社の本地仏とされ、その信仰は平安時代に始まり、江戸時代に至って庶民に広まったものである。こうした廿一仏を表わす板石塔婆は、県内で20基ほどが知られ ており、そのほとんどは越谷市やさいたま市など県南東部に集中している。本文化財は、そのなかでも代表的なものである。
天蓋の左右に「申待供養」の銘、そして種子の間に「天正3年(1575)8月吉日」の供養月日を刻む。また、下方には造立に携わった二十数名の人名が刻まれているが、磨滅が著しく判読は困難である。申待供養とあるのは、山王の神使である猿と習合したもので、江戸時代になって、広く信仰された庚申待供養の先駆的な遺例として も貴重な存在である。
なお、享禄2年(1529)に小島家の祖先が慈光庵を現在地に建立し、その境内に造立したのがこの板石塔婆だと伝えられている。

場 所

越谷市増森1775YAHOO地図より

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