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PHONIC MW-1000

ヤフオクを眺めていたら、このアンプが出展されていた。見た目が気に入ったので、入札。何事もなく落札(最低価格)できた。
数日後、宅配便で送られてきた。早速電源を入れて視聴をするが、右側から音が出ない(非常に小さい)。SA-620と同じ。左側からは音は出るが雑音が多い。ネット上でも検索してヒットしない。
また、製造メーカーもわからないし、いつごろ製造されたのかも不明。とりあえず、蓋を開けていろいろ探ってみることにする。

なお、改造・調整は自己責任の上で行ってください。

蓋を開けて、内部の確認。

左の写真、たぶん改造してある。カセットデッキが接続できるように配線されている。これは外すことにする。
右の写真がアンプ基板部非常にシンプルにできている。ただ、コンデンサーの被服がぼろぼろになっている。容量の確認もできない。
ただ、コンデンサーの被服がぼろぼろになっている。容量の確認もできない。

各部を検査・交換。

最初に、スイッチの清掃をしてみる。効果はなし。ただ、汚れていたので全部のスイッチを分解清掃する。

パワー部分のトランジスタを調べてみる。調べ方は、以前秋月電子で購入したM-830Bテスターを使用した。トランジスタは、松下製2SC840が4個使用されている。調べた結果、4個中1個が不良だった。これが原因かと思い購入しようとしたが、すでに廃盤となっておりお店では販売していない。ネットで調べたら、唯一ネット販売しているところがあり、ちょうど4個在庫となっていたので全て注文し、交換をした。

テスターで、調べているところ。左がだめなトランジスタ。表示が001となっている。テスターで数キロΩレンジでB→E、B→Cを測定したところ双方向で導通があった。右が正常なトランジスタ。

左が交換前、右が交換後。マイカも交換した。
結果は、直らなかった。結線をたどっていくと、こわれていたトランジスタは左側に接続されていた。しかし、トランジスタ一つこわれていても音が出るとは。
4個中3個は印刷が消えていて、1個だけかろうじて印刷が残っていたため、トランジスタの種類がわかった。4個とも消えていたらその時点で終了している。

次はトランジスタ(2SC839)を、右についているものと左についているものと交換してみる。左写真の黄色く塗られているトランジスタ。直らなかった。次に放熱板のついているトランジスタ(2SC881)を左右交換しようとしたら、足が取れてしまった。しかたなく、再度ネットで調べていたらヤフオクに出展されていた(運良く2個セット)ので入札、ついでに2SC839も出展されていたので入札、無事落札でき到着を待つ。

左の写真が2SC881、右の写真が2SC839。2SC881を取り付けて、確認したが直らず。

ここまで来たので、意地でも直す決意をし、電解コンデンサを全部交換することにした。どうせならいつも使っているニチコンFGにする。

左購入したコンデンサと右交換したところ、なんと右側から音が出た。電解コンデンサのどれかが壊れていたと思われる。

デジタル容量計で1個づつ確認をしたところ、10μFのところ268pFのコンデンサがあった。たぶんこれが原因と思われる。

音が出たのはいいが、雑音がすごい。雑音のほうが大きくて音楽が聞こえない。ためしに、2SC839トランジスタを購入していたので、全部(計6個)を交換してみた。みごと雑音が消えた。どのトランジスタが原因かはわからない。

音が出るようになったので、ぼろぼろフイルムコンデンサの交換を考える。デジタル容量計を使って1つ1つ計測した。
左が新しいポリプロピレンフィルムコンデンサ (東信工業製UPZ)、中が交換した古いコンデンサ、右取り替えた基板

改造部分を取り外し、下のRCA端子を取り付けた。

費用

合計:4,850円。購入金額の約6倍かかってしまった。ただ、非常に勉強にはなったので安い買い物ではなかろうか。

視聴

もとの音がわからないため比較はできないが、透き通っていていいと思う。
アンプ部分は抵抗とトランス以外は、新品となってしまった。